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サンタクローチェ教会のカバン学校

フィレンツェのドゥオモから南東へ約300m.サンタクローチェ教会が聳えている。ここにはミケランジェロやダンテが葬られていて有名だ。ジョットのフレスコ画も多く残っているし、今回が2度目の訪問だ。
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ジョットの鐘楼から見たサンタクローチェ教会。左上のファサードと鐘楼。
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これがミケランジェロの墓。
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こちらはガリレオガリレイの墓。地動説を唱え宗教裁判にかけられたガリレイはなかなか葬る場所が決まらず、紆余曲折を経てここに。望遠鏡を右手に空を見上げている姿が印象的だ。
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大聖堂の奥を右に別棟に渡る。左が聖堂、右が「サンタクローチェ教会のかばん学校」だ。
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廊下の両側には作品を収めたガラスケースが。この階は「作業を見せる!」形式でひととおりの作業を見ることができる。階下は広く日本人や韓国人も多く作業を続けていた。
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作業をしていた女性から「日本の方ですか?と声をかけられびっくり!彼女からいろんな話を聞くことができた。ここへきて5年になること。カリキュラムは1日コースから1年コース。3年コースも。デザインから型紙切り、試作から製品作りまで…。「日本へ帰ったら何をするの?」と聞いたら「特に予定は…」とのこと。
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印象としては、学校だから、なんとなく優雅な感じかな~。能率を上げるとか切迫感までは教えてくれないみたいだ。刃物は日本でいう、片刃の切り出しナイフが多い。「革の断ち包丁」とか「突っ切り」のようなものは見当たらない。「丸錐」は同じものだ。作業を立ったまま行なうのはこちらの特徴かな?
日本流で考えると椅子に腰かけて腰を安定させた方が緻密な仕事ができるように思うのだけれど…。
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胴体にハンドルを取り付けている。
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工程の一部を見せている感じかな。 階下の作業場の方がもっと雑然としていて面白かったかけど。
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建物から出るとサンタクローチェ教会の尖塔を下から見上げる事ができた。22年前にここへ来た時は学校ではなく工房だった。年配の職人さんがカバンを作っていた。「イタリアでは教会の中でカバンを作っているのだ~!」といたく感動した事を今も鮮やかに覚えている。
時が移って教会や建物は少しも変化していないのに、そこで生きている人たちの手段は移ろっていくものだし、ダレスバッグやビジネスバッグ、今ではランドセルと、いろんな経験を積んで、22年前には想像出来なかった今の自分。昔とは全く違った目で見ている自分に驚くのだった。
次は永く希望だった「職人さんの通う道具屋」へ向かうことにしよう。


by nagae-bag | 2016-04-05 21:28

ランドセル職人の日常を写真とコメントで紹介します。


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